「雨

る夏の雨の午後、街に通り魔殺人が発生した。

雨の日の殺人者は無差別に通行人を惨殺する。

殺人者は17歳の少年、別役(べつえき)だった。

別雨宿りをしていた女の子に気づき、駅まで送る。

被害者の中に所轄の刑事、谷浦の恋人をいた。

不安を覚えた別役は女の子の足取りを追う。

警察に追われる悪夢を見る別役。

高校を探しだし、様子をうかがう日々が続く。

「俺は群れからはみ出したはずだ。」

予備校のトイレで女生徒を殺害し、署名を残す。

退屈な日常の繰り返しに陥る自分に苛立つ別役。

「警察は何をしてるんだ。能なし犬め」

別役の探していたのは谷浦の妹、秀子だった。

秀子は谷浦に別役との再会を告げる。

谷浦の心に別役に対する疑惑が芽生える。

別役と秀子のデート。苦悶の表情の別役。

「だめだ。殺せない。俺にはこの子を殺せない」

地下鉄で行きずりのサラリーマンを絞殺する。

自分を疑い始めた親友を惨殺。刑事に追跡される。

谷浦の同僚刑事を殺害し、窮地を脱する別役。

秀子を抱きしめながら、幻想にとらわれる別役。

「俺にさわるな」

「お前に俺の妹とつき合う資格があるのか」

「資格ですか。そんなものあるわけない」

雨の日の殺人者の再来。

次々と無差別殺人を繰り返す。

翌日、雨に打たれる別役の死体。

「別役。お前も被害者になっちまったのか」

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